おもちゃで遊んでくれない鳥さん向けのおもちゃ・素材をご提案

鳥さんの行動をヒントに

Step 1. 鳥さんの行動をヒントに!

柴田祐未子

遊びは、鳥さんにとって大切なお仕事の内の一つだと考えています。お留守番の時間が長い鳥さんならなおのこと、そして、問題行動(鳥さん側は問題だとは思っていないことがほとんどですが)を改善したい場合は、鳥さんにお仕事を与えてあげることが必要だと言われています。

鳥さんに遊んでもらおうといろいろなおもちゃを試したという飼い主さんも少なくないと思いでも、ダメだった…。

人が思い描く「遊び」と鳥さんが楽しい!と思う「遊び」は必ずしも一致しない場合があるということをまずは覚えておいていただきたいと思います。せっかく買ったおもちゃで遊んでくれない鳥さんいとっては、市販のおもちゃで遊ぶには、まだまだ前準備が必要なのかもしれません。

たとえば、「木」と一言で言っても、柔らかいものや硬めのものなどいろいろあります。1回試してみて木はダメだった、キライなのかなとあきらめるのではなく、いろいろな噛み心地の木を試していただき、どれが好みなのかを探っていくことで、鳥さんにズバッとはまる木を探しあてるケースも珍しくありません。
例えば、身近にある木、割り箸で試してみることもできます。我が家のオカメインコに、いろいろなコンビニの割り箸やお弁当屋さんの割り箸を齧ってもらった結果、一番のお気に入りの噛み心地だったのは、餃子の王将の割り箸のようでした。縦にサクッと割れる感じがいいのかもしれません。ちなみに、最も不評だったのは…某コンビニの割り箸でした。

大なり小なり、何に興味があって、何が好きなのか、現在の鳥さんの行動にヒントが隠されていると考えています。鳥さんにとって魅力的に見えるものは、ペットボトルのフタかもしれません。割り箸やS字フックのような、飼い主さんから見たら、なんでそんなモノが??と思うモノかもしれません。そういうモノを利用して、少しずつカジカジスイッチが入れていけたらいいなと思っています。

 

 <ご注意>

①おもちゃの素材に関しては、鳥さんが齧って安全なものをお選びください。

②導入した後も、継続して安全なものか、遊んでいる最中に思わぬケガに発展しないか、観察をお願いいたします。

③素材を呑み込んでいないか、十分に観察をお願いいたします。素材を呑み込んでしまうタイプの鳥さんは、呑み込んでもいいものを活用してみてください。

④発情を促してしまう素材の場合、他の素材を活用するなどの対処が必要です。

⑤これらの遊びは、まずは健康であることが大前提です。体調の悪い鳥さんには、新たなおもちゃはお控えください。お迎えして日が浅い鳥さん、引っ越しなどで環境が変わってしまい環境にまだ慣れていない、体重が減少気味、その他にも心配な点がある場合もお控えください。

 

 

現在の鳥さんの行動は? どんな行動が観察できますか?

例えば…

●新聞紙や雑誌を齧る行動が観られたら、紙の素材から始めてみると、とっつきやすいかもしれません。「紙」と一言に言ってもいろいろな素材があります。

●プラスチックの餌入れのフチを齧っているのであれば、プラスチック製のおもちゃなら受け入れやすいのかも。

●リモコンをカジカジしている様子を観察したら、ポチッと出ているボタン部分なのか、色付きの部分なのか。

●お財布についているストラップに興味をそそられている様子だったら、同じような形や色、ユラユラ揺れているもの(ただし揺れ過ぎてはダメかも?)に、興味津々なのかもしれません。

●飼い主さんが来ている服の襟部分をカジカジするのが好きなら、少し厚手の布もいいかもしれません。(繊維を呑み込まないか、観察が必要です)

●飼い主さんが使っているボールペンもなかなか人気が高いのでは?

 

臆病で、おもちゃでは一切遊ばないという鳥さんに関しては、よく次のような質問をします。

「テレビなどのリモコン、あるいはスマホはカジカジする時はありませんか?」

すると、飼い主さんの答えは、ほぼほぼ「はい、それはあります」と返ってきます。この時点で、鳥さんにとって興味のあるものが存在するということ、カジカジする気があるということが判ります。
ではなぜ、他のおもちゃにはカジカジしてくれないのでしょうか。
理由として考えられること、それは、リモコンやスマホは、飼い主さんが毎日手に触れていて、鳥さんにとっては「アレは怖くないもの!」と確信が持てて、鳥さんの視界にはいつも入っている存在だから、と言えるのではないでしょうか。

 

普段の生活でカジカジしているものが見つかったら、次に、それがおもちゃとして活用できるかどうかを検討します。

A. おもちゃとして使える安全な素材なら、おもちゃとして取り入れる。

B. おもちゃとして使えない素材なら、鳥さんが齧っても安全な、似たような素材を探す。

遊びは鳥さんにとって、QOL(生活の質)を上げるためにとても大切なことではありますが、安全であることが大前提です。そもそも、鉛などの鳥さんが口にしてはいけない素材が使われている場合は、おもちゃとして使うことはできません。また、素材自体はOKであっても、この素材を使うと「こういうことになると、危ないのでは?」という想像力をぜひ働かせていただきたいと思います。

<獣医師から聞いた過去の事例>


●布製のおもちゃの場合、齧ったところの繊維を呑み込んでしまった、齧ってほぐれた部分に足の指が絡まってしまった。

●洗濯バサミは、一見面白そうなおもちゃではありますが、遊んでいる内に、バネ部分がクチバシを貫通してしまったという事例もあります。

全ての鳥さんがそうなるとは言い切れませんが、そうならないとも断言できません。鳥さんの行動の特徴などをよく把握した上で、おもちゃとして使う素材には十分に注意していただき、継続した観察をお願いいたします。もし、どんな素材が使われているか不明な場合は、「疑わしきは使わず」です。

  

カジカジスイッチを入れる最初のステップ

最初のステップとして、鳥さんの現在の行動を観察していきます。

1.「鳥さんの行動を観察する」

観察するポイントは、6つです。

①どんな素材をカジッ(カジカジまではいかない)としたか?
②色は?
③形は?
④どんな風に動くか?
⑤その時の飼い主さんのリアクションは?
⑥そのままおもちゃとして活用できそう?

 

モデル1:クーちゃん(セキセイインコ)性格:臆病

クーちゃんの大好き!なものは、「イヤホン」とのことです。
どのくらい大好きかと言うと、イヤホンを見たら一目散に飛んで来てくれるほどです。それでも最近、心変わりした様子も見受けられたそうです。鳥さんはどんなに大好きなモノもいずれ飽きがきてしまいます。その時のためにも、次なるお気に入りを探すことが大切です。

大好きなイヤホンからヒントにできることは何かを考えてみたいと思います。

①素材:先っぽ部分はプラスチック、コード部分はゴムのように弾力がある。
②色:白。
③形:先っぽ部分は丸い、コード部分は長い。
④動き:プラプラ揺れる。
⑤飼い主さんのリアクション:齧られては困る!全力で阻止する。

次に、⑥そのままおもちゃとして活用できるかどうかを考えます。
いくら大好きなイヤホンでも、そのままケージの中に入れることはできないので、「活用できない」ということになります。

 

2.「現在の行動をヒントに鳥さんの好みを探る」


鳥さんの行動を観察できたら、その素材をそのままおもちゃとして活用できない場合、それと似たような素材や形、動きはないかを探っていきます。(青字部分)

①素材:先っぽ部分はプラスチック、コード部分はゴムのように弾力がある。
 ⇒ プラスチック製のおもちゃには興味があるかも?怖がらないかも?
   紐の素材と色を試してみる。


*アプローチ法は「Step 2」でご紹介。

②色:白。
 ⇒ 黒でも平気そう。細長く切った新聞紙もいい感じかも。

③形:先っぽ部分は丸い、コード部分は長い。
 ⇒ 丸い形のものや小さ目の四角いのはどうかな?
   長目に切った紐で好きなのはあるかな?ただし、長い紐だと、ケージの中に設置するのは足や身体に絡まってしまう恐れがあるから要検討だな。

④動き:プラプラ揺れる。
 ⇒ 揺れるものが好み?揺らしてみようかな。

⑤飼い主さんのリアクション:齧られては困る!全力で阻止する。
 ⇒ これで遊びなさい!と言われて、渡されたモノを齧っても、その後はほったらかし…クーちゃんとしてはモチベーションが下がるのかも。ダメだと言われるものほど、燃えるタイプ?もちろん、遊んでいい素材を活用するけれど、齧った時に「こらこら!ダメダメ~!」とやってみようかな。

以上のような流れで、鳥さんの行動を観察し、さらに好みを探っていきます。
文字にすると、長く感じてしまいますが、実際には鳥さんの行動を観察するのは、新たな発見もあったりして、とても楽しくできると思います。

 

では、他の鳥さんの例も見て行きましょう。

モデル2:豆ちゃん(ボタンインコ)
     性格:初めて見るモノには慎重派、紙を齧るのが好き

豆ちゃんは、齧ることが大好きです。どんなモノを齧るかと言うと、紙全般(柔らかいもの、固めのもの)、木片をよく齧っているそうです。豆ちゃんは比較的、どんなおもちゃでも受け入れてくれそうですね。

次の画像を観て、ここからどんな遊びに発展できそうでしょうか。

 

上の画像から、ヒントにできることは?

①素材:紙(少し厚め)

②色:オレンジ、白、茶色部分もあり。

③形:四角い。箱型。

④動き:箱の先っぽは細くなっていて、その先っぽにのると、不安定な感じ。他は特になし。

⑤飼い主さんのリアクション:撮影をしている時で、おもちゃの方ではなく、箱の時に行った時に、「えーっ!そっちー!?上手にのれたね!」の声掛け。

⑥この箱は、そのままおもちゃとして活用できる?
 ⇒ 箱なので、活用できそう!

 

もう一つ、次の↓画像を観て、豆ちゃんの行動から他の遊びのヒントになることは?

人の髪の毛をおもちゃとして活用することはどうやら難しいですよね。
みなさんなら、この行動から思いつく素材はありますか?

こういう↓モジャモジャっとした素材はいかがでしょうか。

あるいは、トウモロコシのハスクのチリチリした部分などは?

 

このように、現在の行動をよーく観察して、鳥さんが遊べるおもちゃに置き換えていきます。

ここまでが下準備となります。

次は、鳥さんが興味を示してくれるようになるには、どのような取り組みが必要でしょうか。「Step 2. アプローチ法」をご参照ください。

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